今回は入社して初めてのレースであるとともに、中島大会自体も初出場だったので、今までとは違った緊張感を持って現地入りしました。島全体が中島大会を盛り上げようという雰囲気になっており、レース前日に行われた前夜祭も盛大なもので、子供から大人まで楽しめる様々なイベントがありました。レース前日からとても楽しい時間を過ごす事ができ、気持ちも高揚して早くレースをしたいという気持ちになりました。
レース当日は快晴で、早朝から汗が肌ににじむ気候でした。暑さと戦う厳しいレースになると覚悟しました。当日の体のコンディションは万全には程遠い状態でしたが、スタートしてしまえば気持ちで体を動かしていく事は可能だから、自分を信じて最後まで気持ちを切らさずにレースをしようと心に決めて挑みました。
10時30分にスタート。予定ではスタート直後にバトルを避けるため、スピードを上げて前に出て、そこから自分のペースを作って泳いでいこうと思っていたのですが、思うように体が動かず少しだけバトルに巻き込まれてしまいました。その後も崩れたリズムを修正する事だけを考えて泳いだのですが、うまく修正することができず序盤から大きく出遅れてしまいました。
バイクではスイムで出遅れた分、これ以上先頭との差が広がってしまうと、いくら得意種目のランが残っているとしても逆転するのは困難になると思い、必死でペダルを回しました。海岸沿いを往復するコースだったのですが、カーブが多く曲がるごとに風向きが変わるので、うまくペースを安定させることができず本来の走りがまったく出来ませんでした。その結果、差がさらに広がるという一番恐れていた展開になり、少し焦りを感じながらランに移りました。
私の武器ともいえる三種目のランですが、前との差は時間にして3分以上あり、逆転する事はかなり難しい状況でした。しかし、暑さに最後まで耐えられるようにバイク時に積んでいたボトルの水分は全て飲み、足もまだ動くし、何よりここで諦めてしまえば後悔するのは自分だと思い、逆転できる事だけを信じてひたすら前を目指して走りました。
予想通り気温は35度以上になり、酷暑の中でのレースでしたが、応援してくださる島民の方々から力をもらい、レース終盤、残り約2キロの地点でついに逆転する事ができました。後は大会スタッフの方々や応援してくださった方々への感謝の気持ちを胸に、ゴール目指して走りました。今回、久しぶりにトップでフィニッシュテープを切ることができ、本当にうれしかったです。そして、改めてトライアスロンという競技はすばらしいものだと感じました。今後もいくつものレースに出て行きますが、私たち選手がレースを出来るのは、運営スタッフの方々やボランティアの方々など多くの人々のご支援があって初めて可能になる事なので、常にそういった方々への感謝の気持ちを忘れずにレースをしていきたいと思います。(平松幸紘) |