トライアスロンのメッカ、ゴールドコーストで行われた、世界選手権シリーズ・グランドフィアナル。オーストラリアならではの晴天で、絶好のトライアスロン日和だった。14時45分と遅めにスタートしたエリート女子は、42名が出走。キメの細かい砂浜からのビーチスタート。ア本選手はレースナンバーが36番だったため、選択肢がなくほぼ真ん中からスタート。第一ブイまでの約200mは混戦したが、今日のア本選手は調子が良かった。うまく、前に抜け出すことができ、先頭集団でスイムを展開することができた。2周目に入ってからも、自分の位置を確認しながら泳ぐことができ、勝負ポイントの先頭集団後方にピッタリつくことができ、そのままスイムをフィニッシュ。日本人トップの9番手でバイクに移った。気合十分のア本選手は、バイク序盤に8名の先頭集団に位置していたが、2kmのゆるい坂で、気が緩み先頭から離れてしまい、後退。土橋選手を含む11名の第2集団でレースを展開することになった。後続は足立選手と井出選手を含む17名の第3集団。そしてさらに上田選手と庭田選手を含んだ4名の第4集団と大きくバラけた。先頭集団は、バイクの強い選手が集まったこともあり、追撃を許さないペースをキープ。第2集団も個々の選手の動きはあるものの、決定的な逃げや、動きがなく、先頭集団とほぼイーブンペースでレースが運ぶ。一方追随している第3集団は、人数が多いこともあってか、集団が機能せず、周を重ねるごとに差が広がる展開となった。
6周目で土橋選手が第3集団に後退。ア本選手は第2集団で一人粘るが、身体が思うようにうごかず苦戦。レース後に確認すると、すでにこの時点で手先がしびれるくらい追い込んでいたようだ。結局、先頭の7名はア本選手の第2集団に約1分のアドバンテージでランをスタート。そして、第3集団は第2集団から約1分30秒遅れてバイクを終了した。上田選手と庭田選手の第4集団はレースから脱落した形になった。ランは先頭集団から飛び出したモファットとノルデンが、終始サイドバイサイドの競り合いをみせ、ゴール500M手前でスパートしたモファットが勝負をきめた。3位以降は、実力差がそのままでた。一方のア本選手は、バイクでしびれるほど追い込み、エネルギー切れ。後退してしまった。日本人選手は第3集団から井出選手が追い上げを見せたが、17位にとどまった。
今回のレースほど、出場させてよかったと思ったレースはなかった。それくらいこの1週間は集中していたし、学ぶことも多かった。コーチとして必ず来シーズンにつながると確信でき、また明日から選手たちとともに謙虚に、かつ貪欲に取り組んでいきたい。
(陶山昌宏) |