天候は曇り。前日の雨の影響か、身体にじっとりくる空気が、今日も湿度が高くなることを予想させる。日差しがなくても、脱水には要注意の日。男子は33名がエントリーして、うち海外勢は8名。昨年までのオーストラリア若手有望選手の顔ぶれはなく、マークする選手はスイムの速い韓国の選手、ワールドカップでも転戦しているオーストラリアの選手、そしてアテネ五輪のイギリス代表だった選手。国内は、目立った選手は2名ほどなので、佐藤選手にとっては十分表彰台が狙えるレースと読んだ。
佐藤選手のゼッケン番号は3。日本人有力選手は3人ともイン側にポジションをとった。シチュエーション的には悪くない。マーシャル(審判)の”Take on your makr"に続いてホーンで一斉に選手が海に飛び込んだ。今日は佐藤選手を真後ろで観戦することができ、スタートの一部始終を確認できた。まずまずのスタート。北京五輪日本代表選手のすぐ左後方につけ、第一ブイまで進んでいった。そして2周回のうちの1周目をトップ選手から6番目の先頭集団できっちり泳ぐ。これには、応援に駆けつけてくださった、社員の皆さんも大盛り上がり。結局、そのまま千切れることなく第2集団に約1分の差をつけて、先頭集団で バイクをスタート。
昨年、いわずと知れた平松選手が単独落車して右下腿を複雑骨折したバイクコース。なにより無事バイクパートが終わることだけを真剣に祈った。
4周回のうち、2周目。積極的に先頭から2番手を走って帰ってくる佐藤選手に思わず背筋がぞくぞくする。しかし、息が切れているのが気になった。後続の第2集団とも徐々に差が開き、結局バイク終了時点で1分50秒くらい差がついた。
先頭集団の6名から、若手の日本人選手が脱落し、5名でランニングの同時スタート。北京五輪日本代表選手が果敢に飛び出し、海外選手が追う展開に。佐藤選手はトランジットに手間取り約10秒遅れて5番手でランニングをスタート。目の前を通過したときすでに苦しそうな状況。ただただ立て直すであろうことのみを信じて叱咤する。しかし、周を重ねるごとに先頭の3名とは徐々に差が開く一方。4番手だった韓国人選手が、途中リタイヤして単独4位になったが、逆に後ろの第2集団から出てきた日本人選手が追い上げを見せる。ピッチが違う!何もできない悔しさに、着替えて交代してやりたいもどかしさまで感じる。結局3周回目に抜かれ、5位でフィニッシュ。
休日にもかかわらず応援に駆けつけてくださった、33名の社員とそのご家族の応援が佐藤選手の背中を後押ししてくれた。スイムから積極的に取り組んだ姿勢は評価に値する。結果には残らないが、社員の記憶には確実に残った。佐藤選手、次はいよいよ今週末にオランダで行われるワールドカップだ。
(陶山昌宏)
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