ハンガリーの首都ブダペストから車で約2時間ほど北東へ移動したところにある、ティサウィバローシュ。日本のスズキ自動車の工場もあり、市内の主だったビジネスホテルでは日本語もみられる。過去ユニバシアード(世界学生選手権)も開催されたこともあり、古くからトライアスロンのシリーズ戦が毎年開催され、関係者の中でも人気が高い大会のひとつ。この大会はヨーロッパ転戦シリーズでも重要な位置づけとされており、出場人数も大会規定最大の75名がエントリー。今後の日本男子の世界戦略に重要なこの大会に、日本からは佐藤選手をはじめ4名が出場した。
スイムは街外の湖。佐藤選手は先頭から47秒遅れの37番手と、いい位置でスイムを終える。バイクは周回コースに入るまでの8kmで、ロシア3名、オーストラリア1人、そしてスペイン1名の5名の逃げ集団が形成される。先頭を追う第二集団の17名が37秒差、その後ろから佐藤選手を含む第3集団の22名が48秒遅れでバイクの序盤は展開。その後、そのまま先頭の5名の逃げが完全に決まり、後ろは60名近くの大集団となる。佐藤選手はこの大集団の中に入っていたが、集団の後方で展開する形となってしまった。結局先頭の5名から約1分差で第二集団はバイクフィニッシュとなり、非常に面白い展開となった。佐藤選手は先頭から1分17秒差の40番手でランをスタート。ランでは積極的な走りをみせ、5km地点では先頭から1分19秒遅れで4名の30番グループを引っ張る。一つでも順位を上げようと各国の選手が激しい順位争いをする中、最後まで粘りの走りを見せ、佐藤選手は先頭から1分45秒遅れ、日本人最高位の31位でフィニッシュした。
スイムはある程度メイン集団で上がれるようになってきた。今回のレースでは、ランニングスタート時に集団の先頭近くに位置していれば、更に順位を上げる事が出来ていたかもしれないので、次はバイクの展開の仕方、ランの底上げという新しい課題が見えてきた。
(陶山 昌宏)
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