アルペンスキーのメッカであるオーストラリア・キッズビュール。冬季には過去何度もスキーのワールドカップが開催されている。それくらい、山々に囲まれた自然美豊かなレース会場。2007年に佐藤選手が一度出場しており、今回が2回目。出場は65名。
水温は20度前後と決して高くはない条件のなか、スイムスタート。序盤からロシア勢を中心としたスイマーが抜け出すが、今回はこれまでと違い、スイムからの逃げが決まらない。むしろ、40名近い先頭集団と、4,5秒あけて25名ほどの第2集団とに二つに分かれてしまった。佐藤選手を含む、日本人選手(細田選手、杉本選手)はスイムで出遅れてしまい、第2集団に。これが決定的な致命傷となった。
バイクコースは、テクニカルかつタフなコースで、バイクの展開がこのコースでの戦い方を決めるといっても過言ではなかった。結局スイムのそのほんのわずかの4,5秒をつめることができず、バイクスタート直後から40名弱の先頭集団は勢いを衰えることなく集団のまま加速していく。そして、第2集団は佐藤、細田選手を含め5名で必死に追う。しかし、その差は周を重ねるごとに1分、2分と開く一方。先頭集団は、途中3周目に優勝したスチュアート・ヘイズを含む5選手が逃げをうつ。これが大成功。
バイクフィニッシュ時には、後続のメイン集団と1分45秒差をつけた。バイク途中で杉本選手は第2集団から脱落。細田選手と佐藤選手を含む7名が先頭集団を追うが、結局約2分30秒の差をつけられてしまった。ランに移ってからは、同じ7名のなかで順位が入れ替わるものの、佐藤選手は健闘むなしく49位に終わった。
佐藤選手は連戦となるなかでよく戦った。スイムに関しては、以前よりも戦える集団でフィニッシュできるようになってきており次は日本人男子同士で強化をはかり、バイクでの展開、そしてランニングの底上げを図っていきたい。
(陶山 昌宏)
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