天候は曇り、水温は21度、強風の中でのレースとなった。
まずは男子が9:30にスタート。スイムのコースは遠浅の為、スタートしてから泳ぎ出すまでに
100m近く走らなければならい。佐藤選手は優勝候補が集まる左側からスタート。
1周目を上がって来た時点で明らかに体が動いていなかった。2周目を終えてバイクに向かう
際には、一時蛇行する場面も見られた上に表情もかなり苦しそうで、この時点で順位は27位だった。
バイクはほとんどが上りと下りの繰り返しで、風も強く、バイクの力が試されるコースである。
バイクに移ってからは徐々に苦しそうな表情も見られなくなり集団を積極的に引っ張るも、集団が
うまく機能せず、思うようにペースは上がらなかった。ランに入るとスタート直後から、いつもの
スピードに乗った走りが見られず、結果は30位となった。
女子は12:00にスタート。川島選手は先頭2名から10秒差の3位で1周目を通過、2周目も
単独3位でスイムを終え、バイクへ。世界でも通用するバイクの力がある選手や、元オリンピック
代表選手と共に先頭を追いかけ、15k付近で先頭に追いついた。このまま5人でバイクを終了
するかと思われたが、川島選手は25k付近の上りでペースアップに反応出来ず、集団から離れて
しまった。ランスタート時には先頭集団4名から約2分差の単独5位でスタートした。
ランでは失速する事なく安定した走りで、4位を走る選手との差は周回を重ねる毎に縮まって
いった。結局、追いつく事は出来なかったが、1分以上差を詰めて5位となった。
佐藤選手が本来の力を発揮出来なかったのは「昨年の国体チャンピオン」というプレッシャーや、
最近の連戦や合宿によって蓄積された疲労をうまく回復させらなかった事など、様々な要因が
考えられる。誰よりも本人が一番今回の結果に対して悔しい気持ちを持っていると思うので、
この悔しさをバネにして2週間後の日本選手権では力を発揮してほしいと思った。川島選手は
取り組んでいるバイク・ランの強化がレースで発揮出来るようになってきているが、遠浅の海での
泳ぎ方やトランジットのスピード等、まだまだ細かいスキルの面で、どうしても経験の差がそのまま
レース展開に影響が出てしまう。しかし、トータル的に見れば、今回のレースは日本選手権に
向けて自信に繋がる良いレースだったと思う。
(平松幸紘)
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