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Resultレース結果

RESULT 2023年

第29回日本トライアスロン選手権

開催日 2023年10月15日(日)男子11:00スタート
開催地 お台場海浜公園、臨海副都心トライアスロン特設会場(東京都港区)
コース スイム1500m (750m×2周)バイクkm (5.0km×8周)ラン10km (2.5km×4周)
*スタンダードディスタンス

【エリート男子上位3名と弊社所属選手結果】

順位 氏名 記録
1 ニナー賢治(NTT東日本・NTT西日本) 1:48:29
2 岩本敏(日本食研) 1:50:57
3 徳山哲平(早稲田大学・ロンドスポーツ) 1:51:13

【関連Webサイト】

【レースリポート】

レースリポート

 スイム・バイクと最高のパフォーマンスを発揮しながら、脱水というアクシデントによりランで失速してしまい、48位という結果に終わった鹿児島国体から1週間後の日本選手権。一年かけて今年のピークをここに合わせる取り組みをしてきた岩本選手にとって、残り一週間で出来る事は限られていました。国体での結果はどうであれ、取り組んできたものが確実に成果としてレース内容に表れてきたのは間違いなかったので、とにかく、心身ともに回復させ、現状でのベストな状態でスタートラインに立つ事だけを考えて過ごしました。

 レース当日は、もはや日本選手権では当たり前とさえ感じてしまう雨…。

 前日まではかろうじて20度以上だった水温も20度以下に下がった為、ウェットスーツが使用可能となりました。レースナンバー5の岩本選手は、レースナンバー上位選手の固まる右側を選択。スタート直後から形成された先頭集団に上手く入りましたが、一周目の終盤で他の選手との接触で、ゴーグルを付け直さなければならない状態に陥りました。このアクシデントで、片方のコンタクトレンズが外れるという更なるアクシデントにも見舞われ、先頭集団後方に順位を下げてしまう結果になりました。そのまま2周目も同じような位置での展開となり、先頭と8秒差でバイクへと移りました。視力の悪い岩本選手にとって、バイクは片方の視界がボヤけた状態でのスタートとなりました。先頭集団を形成している3名の内、2名はバイクの走力が国内トップの2名。岩本選手のいる第二集団は7名という事で、数の上では有利はあっても走力で言えば劣る為、10数秒前にいる3名の先頭集団を追いかけるには全員が一丸となって追いかけるしかありませんでした。雨で視界も悪く路面状況も最悪。常に五感を研ぎ澄ませながら周囲の状況を判断して走らなければならない中で、視覚の半分が殆ど奪われた状態の岩本選手が、必死で追いかけている集団のローテーションに入る事は、集団落車というリスクが非常に高い状況でした。本人とっては当然不本意ではあったかと思いますが、集団の安全性を優先して、集団最後方で走るという選択肢を選びました。勢いは弱まったものの小雨が降り続く中、無事に40キロのバイクを終えた時点で、先頭3名との差は約1分に広がっていました。岩本選手は勢いよく走り始めると、周回を重ねるごとに前方選手との差を縮め、2.5km×4周回の内、3周回目でついに3位を捉えました。更に勢いそのままに2位の選手も抜き去り、単独の2位でラスト1周を迎えました。その後も、一週間前の悪夢のようなランの記憶を忘れさせてくれるような快走を続け、ただ前だけを見据えてフィニッシュを目指しました。そして、レースをスタートしてから1時間50分後、観客の祝福にハイタッチで応えながらフィニッシュゲートをくぐりました。

 この一年、日本選手権で結果を残すことだけを考え、多方面の方々からのお力を借りて、新たな取り組みを行いました。岩本選手にとっては決して楽ではない取り組みを、刺激し合える練習相手も普段はおらず、殆どの期間を一人で黙々とやってきました。その姿を日々見ている立場からすると、あれだけ努力しているにも関わらず、中々結果に繋がらなくて本当に歯痒い思いをしていただけに、表彰台に立っている姿は非常に感慨深いものがありました。

 本人にとっては故意ではないアクシデントとは言え、バイクでローテーションに加わり協力体制をとれなかった事で、心から満足できる結果ではなかったようです。しかし、昨年までの岩本選手であれば同じ状況だったとしても、ここまでの結果にはならなかったのは明らかであり、間違いなく本人の弛まぬ努力の結果であると確信しております。一日でも早く、本人が「実力で勝ち取れた」と心から納得出来るレースが出来る日が来るよう、引き続き、全力でサポートしていきたいと思います。

《コーチ 平松幸紘》

【岩本選手コメント】

 日頃より、ご支援、ご声援いただき誠に有難う御座います。

 10/15に東京都のお台場で開催された、第29回日本トライアスロン選手権の結果は準優勝でした。日本選手権1週間前の国体では、思うようなレースが出来ず、大変悔しい結果となりましたが、沢山の方々のサポートをいただきながら、日本選手権に向けて心身を整える事が出来ました。

 当日は雨が降り、気温が低いコンディションでした。スイムでは、序盤にアクシデントがありながらも、先頭集団後方で上がる事が出来ました。その後、バイク序盤で3人の逃げが決まり、私は第2集団でレースを進める事となりました。スイム中のアクシデントが響き、バイクは一度も前に出ないまま、ランに移る事となりました。ランでは積極的に前を引き、先頭集団の選手を追う展開となりました。最後迄粘る事が出来、2位まで順位を上げる事が出来ました。

 日本選手権で初めての表彰台となりましたが、レース内容は納得行く形ではありませんでした。引き続き目標に向けて、練習を重ねてまいります。

 今後ともご声援の程、何卒宜しくお願い申し上げます。

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